パリの植物園を舞台に少女と植物学者との出会い 生命力あふれる「大きな木のような人」いせひでこ
植物学者は、パリの植物園のあちこちで毎日のようにみかける
日本の少女に出会います。名前はさえら。
さえらは、ある日花をひきぬいてしまいます。
「どうしてそんなことをしたの?」
「おじいちゃんにプレゼントしたかったの」
そんな会話からふたりは親しくなっていきます。
植物学者とさえらは、植物園をまわり、さらえにいろいろな
植物の話をします。
さえらは、だんだんと植物に興味をもち愛情を感じるように
なり、朝早くから、雨の日も、植物園の一員のようになりました。
夏が終わる頃、さえらが日本に帰る日が近づいてきました。
いせひでこさんが、直接パリの植物園でスケッチした絵や
人類植物学者のジョルジュ・メテリエから聞いたエピソードを
もとに描かれた作品だそうです。
400歳のアカシアの木や250歳のプラタナスの木をはじめ
たくさんの植物の生命力と、何事もすぐに吸収して成長していく
少女の生命力が、すがすがしいです。
「大きな木のような人」
いせひでこ/作
ジョルジュ・メテリエ/監修
(人類植物学者・仏国立科学研究所名誉研究者) 講談社