ヤン・ピアンコフスキーのシルエット画クリスマス絵本「欽定英訳聖書よりクリスマス物語」
「クリスマス物語」
欽定英訳聖書より ヤン・ピアンコフスキー/絵
小畑進/訳 講談社
クリスマス物語は、天界と地上とが一体となった聖なる神秘に
満ちた荘厳なおはなしです。
天使がマリアの前にあらわれ、主の御子と唱えられることとなる子を
産むことになると告げます。
その予言どおり、マリアは、男の子イエスをベツレヘムの町で産みます。
ヨセフは、マリアとイエスを守るよう天使に導かれます。
地方に住む羊飼いたちの前にも、天使があらわれ
救い主がお生まれになった、主は飼い葉につつまれて寝ておられると告げます。
羊飼いたちは、その言葉どおりイエスをみつけだし、人々にそのことを
話すと、人々は驚きました。
輝く星に導かれ、イエスのもとにやってきた東方の博士たちは、
宝の箱を開けて贈りものをささげ、礼拝しました。
一方、イエスが生まれたことで悲劇も起きました。
暴君ヘドロは、ベツレヘムに住む2歳以下の幼児をすべて虐殺したのです。
俗悪で悲しいスペクタルも盛り込まれ、イエスの誕生をより強烈な
印象にしています。
本書の文は、「欽定英訳聖書」からの抜粋文で、日本語文だけでなく
英語での表記もあり、聖書の抜粋を英語で読むこともできます。
このおはなしに、彩りをそえるのは、ヤン・ピアンコフスキーの
シルエット画です。
繊細で表現豊かな影絵に、透けた光のような背景色が美しいです。
そのまわりには、赤や緑のクリスマスカラーと、きらびやかな金色を使った
飾り絵も施され、華麗な一冊となっています。
ところで余談ですが、イエス・キリストは実在の人物なのでしょうか。
このおはなしは、神話化されたキリストですね。
そもそも「聖書」は誰が書いたものなのでしょうか。
そんなことに、興味をもってしまいました。